【Marketing Terrace vol.9 イベントレポート】オフライン×オンラインの融合で生まれる新しいコミュニティマーケティング戦略| ゲスト:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 エクスペリエンス・デザイン本部部長 中岡 亮時氏
イベントやセミナー、コミュニティを中心としたマーケティングが新たな潮流として注目を集める中、イベント・コミュニティサービスである「ピーティックス」は、マーケティング業界のプロフェッショナルが集い、現代の激動するマーケティング業界における課題に対する知見や戦略を共有するイベントシリーズ「Peatix Marketing Terrace(ピーティックス マーケティングテラス)」を定期開催しています。
Vol.9のゲストは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下:CCC) エクスペリエンス・デザイン本部部長の中岡 亮時(なかおか りょうじ)氏。
全国にTSUTAYAや蔦屋書店を展開するCCC社が考える、企業の顧客から得られるフィードバックの重要性をはじめ、コミュニティを活用した製品・サービス改善の事例、そしてオフラインとオンラインを組み合わせたコミュニティマーケティング施策についてお話を伺いました。
さらに、本イベントでは、CCCとピーティックスが提携を通じて目指す、新たな顧客体験についても触れ、顧客接点を強化するための考え方やアプローチなどを共有しました。
■ 開催日:2024/12/12 (木) 19:00 - 20:00
■ 登壇者:
中岡 亮時氏 [カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 エクスペリエンス・デザイン本部 部長 兼 MCC(Market Creation Center) 新規事業クリエーション部 ]
早稲田大学卒業後、新卒でカルチュア・コンビニエンス・クラブ㈱に入社し、TSUTAYA店舗の立ち上げを行うインストラクターを経験しながら店づくりのノウハウを構築。2013年には、地域の方とのコミュニティ形成を主とした函館 蔦屋書店の店長を経て、TSUTAYAのプラットフォーム事業領域の中で様々な業務を推進。本年度より、企業様のプロモーションや、イベント・プロデュースにおける事業展開の責任者を担い、よりお客様(消費者)と企業様との接点を創出している。
コミュニティマーケティングの本質とは?
ピーティックス 西川(以下 西川):
中岡さんの考える「コミュニティマーケティング」とは、どのようなものなのでしょうか?
CCC 中岡さん(以下 中岡さん):
コミュニティマーケティングとは、「お客様との距離を縮めること」だと思っています。
私たちは商品をお客様に届ける立場ですが、その中でメーカーさんの思いや企業の理念をどのようにお客様に伝えるかが重要です。
その結果、お客様がその商品やお店、さらにはその場自体を好きになっていただけるのではないかと考えています。こうした好きという感情が積み重なることで、コミュニティが形成され、伝えたい思いがよりダイレクトに届きやすくなります。
お客様との距離が近いほど、その効果はさらに高まるので、結果的に売上につながる重要な要素になると感じています。
西川:
企業におけるコミュニティは、どのような場面でその力を発揮するのでしょうか?
中岡さん:
重要なのは、自分たちのお店にどのようなお客様が来ているのかをきちんと理解することです。これが欠けてしまうと、ひとりよがりのサービスや商品になってしまう可能性があります。
一方で、コミュニティを作ることで、どんな店づくりをすべきか、どのような商品を並べるべきか、さらには企業の思いをどう届けるべきかといった点を深く探ることができるようになります。なので、コミュニティはお客様のインサイトを得るための要素の1つになるのかなと思います。
コアファンとの深い関係性が未来につながる
ピーティックス 藤田(以下 藤田):
企業がコミュニティに取り組む価値の1つとして、メンバー同士のつながりが挙げられます。ナレッジのシェアが行われたり、たとえばC向けサービスであれば「こんな食べ方がおすすめだよ」といった情報交換が行われたり、サービスや商品の利用価値が共有され、そのサービスや商品へのロイヤリティが高まっていきます。
一見すると、コミュニティマーケティングは目に見えにくく、効果が測りづらい部分もあるかもしれません。しかし実は、それが事業のコアバリューになるのではないかと思っています。
特に、機能や価格で競争が激化する中で、コミュニティを通じて価格や機能以上の価値を提供できるのは大きな強みです。こういった部分が、コミュニティマーケティングの重要な意義なのかなと思っています。
中岡さん:
藤田さんがおっしゃった「参加者同士のつながり」というのは、非常に重要だと思います。質の高いイベントを数多く企画することで、お店そのものにファンが増えることがあります。
さらに、ファン同士がつながり、時にはご一緒に来店されるケースもあります。コミュニティは企業と人、さらには人と人をつなぐ場としての役割があると感じています。
直接的に売り上げにつなげるコミュニティ運営というと、会員獲得施策に近い部分もありますが、長期的な視点で見ると、コアなファンとの密なコミュニケーションが非常に大切だと思います。
この関係性が深まることで、企業への信頼が生まれ、新商品の展開や新ブランドの立ち上げ時の反応も変わってくるんだろうなと思います。
コミュニティの継続性を支えるオンラインとオフラインの融合
西川:
今、コミュニティマーケティングが重要だと言われていますが、取り入れられていない企業も多いと思います。そうした企業が抱えがちな課題にはどのようなものがあるのでしょうか?
中岡さん:
やはり「何から始めればいいのか分からない」という声をよく耳にします。また、お客様とのコミュニケーションを継続することの難しさも課題のひとつだと思います。
ただ、お客様同士がつながるコミュニケーションの形を作ることができれば、自然に会話が生まれやすくなる。その流れをつくる導入の部分が最初の大きなハードルになっているのかなと感じます。
藤田:
そうですね。何をしていいか分からない、どう始めるべきかという部分が大きな壁としてあるんだろうなと思います。その一歩をサポートするために、ピーティックスとCCCさんが共同で提供するソリューションが役立つと考えています。
中岡さん:
コミュニティづくりは、継続性が非常に重要だと思います。私たちはリアルな場での取り組みが多いのですが、そこにデジタルでのコミュニケーションを組み合わせることで、継続型の体験につながるのではないかと考えています。オフラインとオンラインの融合によって、コミュニケーションがさらに広がっていくイメージですね。
たとえば、イベントは「晴れの場」としてお客様の熱量を高める機会になりますが、その後のフォローアップが不足すると熱が冷めてしまうこともあります。イベント後もお客様とどのように関わり続けるかを設計することで、また次の企画へとつなげるサイクルが生まれると考えています。
藤田:
イベントはお客様の温度を一気に上げる「加熱」の場として非常に重要ですが、その熱を保つ「保温」の部分が欠けていると、イベント後に熱量が下がってしまいます。
今回のソリューションでは、リアルイベントでの熱をオンラインコミュニティで保ちながら、少しずつ新しい加熱を行う仕組みを提供します。具体的には、ピーティックス上で企業がクローズドなオンラインスペースを設け、ファンとのコミュニケーションを継続する形を想定しています。
このようなフルパッケージでオンラインとオフラインを融合したソリューションは、ありそうでなかったと思います。だからこそ、コミュニティづくりに踏み出せなかった企業にとって、最初のブーストとなるのではないかと期待しています。
「Peatix Marketing Terrace」は、マーケティング業界のプロフェッショナルが集い、現代の激動するマーケティング業界における課題に対する知見や戦略を共有するイベントシリーズです。マーケティング業界に携わる皆様が連携し、新たなアイディアや手法を共有・発展させる場を提供します。
今後のイベント情報は、こちらのグループページでお知らせしていきますので、ぜひフォローをお願いいたします。
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