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Marketer MeetUp Vol.1 - Peatix Marketing Terrace 【イベントレポート】

ピーティックス ( Peatix ) は、マーケティング業界のプロフェッショナルが集い、現代の激動するマーケティング業界における課題に対する知見や戦略を共有するイベントシリーズ「Peatix Marketing Terrace (ピーティックス マーケティングテラス)」を定期開催しています。

今回は、シリーズ初となるリアルイベントを開催。これまでオンラインのマーケティングテラスにご登壇いただいたゲスト4名が集結し、60名以上の方にご参加いただきました!

ご参加いただいたみなさまと「Peatixポーズ」

■ 開催日:2024/9/11 (火) 19:00 - 21:00
■ 登壇者:

稲垣 佑馬氏 [ 株式会社SmartHR ブランディング統括本部 フィールドマーケティング部イベントマーケティングユニット ]
大学卒業後、イベント制作会社にて官公庁や新聞社のカンファレンスなどオフラインイベント企画運営に従事。その後、マーケティング支援を主軸にした企業に入社し、営業のマネージャーとして、外資系企業やスタートアップ企業を中心にその商品・サービスの価値創造を行い、オフライン・オンライン問わず多様なマーケティング戦略立案・企画制作の経験を積む。2022年よりSmartHRに参画、SmartHRの価値発信に携わる。

久我 温紀氏 [ ウイングアーク1st株式会社 執行役員 CMO マーケティング本部長 RevOps エヴァンジェリスト ]
ウイングアークテクノロジーズ(現ウイングアーク1st株式会社)創業時に事業へ参画。法人向けソフトウェアのアカウントセールスとして5期連続トップセールスを達成し、マネージャーに最年少で就任。成績不振の営業部門の再建に関わり全部門予算達成を実現、過去最大の事業成長を牽引する。2016年営業統括責任者に就任。2017年経営戦略担当を兼任し、2018年よりマーケティング統括責任者。2019年9月より執行役員。2024年4月よりChief Marketing Officerに就任。RevOps(レブオプス:Revenue Operations)エヴァンジェリストとして2022年からセッションシリーズ「Theレベニュー会議」で様々なゲストをお迎えし発信するほか、メディアへの寄稿や講演等を行う。

菱沼 匡氏 [ 株式会社b-growth代表取締役CEO / BtoBマーケティング研究会 主宰 ]
大学卒業後、一貫して事業会社でマーケティング/事業開発業務に従事した後独立。関わった商材は50以上。2022年に立ち上げた『BtoBマーケティング研究会』は参加人数1000人規模まで成長。マーケター向けの勉強会や懇親会などを主宰し、企業とマーケターの最適なマッチングやマーケター同士の繋がりを活発化させるべく奮闘中。

津隈 和樹氏 [ note株式会社 note事業本部長/マーケティング&コミュニケーショングループ長 ]
新卒で日本マイクロソフトに入社後、フィールドエンジニアとしてクライアントの開発支援に従事。アジアでのアプリケーションコンサルタントを経て、プロダクトマーケティングマネージャーを経験。2020年よりnote株式会社に入社し、note事業ならびにマーケティングの責任者として従事。

■ ファシリテーター:

藤田 祐司 [ Peatix Japan株式会社 共同創業者・取締役・CMO ]

西川 ハルミ [ Peatix Japan株式会社 PR/コミュニケーションズマネージャー]

■ 会場: 
LULL TECH BEACH(ラルテックビーチ)

“人も仕事も集まるビーチ”をコンセプトとした渋谷駅徒歩3分のコワーキングスペースです。

【トークセッション】

①今注目しているマーケティング施策は?

稲垣さん:
今年はリアルイベントをもっと増やしていきたいなと思ってます。実際、7月に国際フォーラムでイベントを開催したんですが、やっぱりリアルの場だと熱量が伝わりやすく、商談や受注につながりやすいんじゃないかなと感じました。なので、ミートアップなどリアルイベントでの施策に注目していきたいと思っています。

去年は展示会にも年間72回くらい出展していたので、日本全国の小さな展示会やホテルでの展示会など含めて、リアルの場をもっと大事にしていきたいと思っています。

久我さん:
やっぱりリアルイベントってすごくて。弊社も1万人規模の年次大型イベントを開催しており、コロナ禍はオンラインメインでしたが、今年は東名阪のリアル開催をメインでやっていく形式に大きく舵を切っています。

展示会もそうですけど、結構揺り戻しがあるんじゃないかなと。コロナ禍にリアルで行きたくても行けなかった分、今は反動が来ていると思います。この動きはまた落ち着いてしまうかもしれないので、今がチャンスと考え、積極的にオフラインのセミナーやイベントの開催や出展をしています。

菱沼さん:
この前、BtoBマーケティングの手法を数えてみたら、意外と30-40個ぐらいしかなかったんです。例えばエレベーター広告とかリスティング広告とか、いろいろあるんですけど、基本的にはプロモーション先の話が中心です。でも、30-40の限られたチャネルの中でマーケティングを組み立てていくとなると、競合も含めてみんな同じようなことをやっているわけですよね。

そうなると、やはり本質的には「コンテンツ」が大事な時代だと思っています。例えば、リード獲得のためにホワイトペーパーを作ったとして、表紙はしっかり作り込んで、運用にも力を入れているけれど、中身がスカスカだと意味がないんです。しかも、その後に大量の電話やメールが来ると、むしろその企業に対して良い印象が持てなくなる可能性もあります。だからこそ、ダウンロードしてくれた人にしっかりと価値ある情報を提供することが大前提だと思います。

マーケティング活動においてはリードを取ること自体が目的になりがちですが、まずはコンテンツの質をしっかりと考えることが大事だと感じています。

津隈さん:
コンテンツでいうと、静岡のオーダーメイドの機械メーカー様が、コンテンツで頑張ってZ世代に選ばれる企業になったケースがあります。何をしたかというと、「大掃除」をDX化したという記事を書いたんです。例えば「ここにこういうゴミがあった」とチャットで共有して、すぐに対応できるようにしたと。それを記事にしたら、かなり注目されたんです。

これって、日々やっている仕事にちょっとエンタメ要素を加えて世の中に発信するということなんです。仕事の裏話や熱量のある話などもっと人間味が感じられる日々の仕事の様子を見せると、それが面白いし魅力的に映ると思います。

例えば「ピザポテトのチーズの振り方が実は何度も試行錯誤されている」という話を聞くと、それだけでピザポテトに手が伸びる、みたいな感じです。そういう熱量のあるエピソードを伝えることが、今の時代にすごく合っていると感じています。

②現在感じているマーケティングに関する課題

稲垣さん:
SmartHRは従業員が1200名くらいまで増えて、事業部制を取り入れています。ブランディング統括本部やセールスの事業部などに分かれていて、ザ・モデル型で進めているんですが、パスを回す中で各チーム間の連携について、新たな課題や改善の余地を感じるようになってきました。マーケとインサイドセールスは、KPIが近しいので連携しやすいのですが、セールスまで進んだ時に「どの施策が実際に受注につながったのか」みたいなところまで会話が届かないと感じています。こういった連携の課題は、会社が大きくなるにつれて感じる部分ですね。

営業側では、受注した理由を営業支援システムなどに登録はしているんですけど、「展示会がきっかけで受注した」とか、そういった細かい部分をなかなか拾いきれない部分もあります。現状の規模だとそこまでフォローしきれないので、こういった部分の整理も重要だと思っています。

久我さん:
うちはもう、データを完璧に追いかけるという姿勢は諦めています。データを完全に揃えるって、正直無理だと考えています。現場の状況やニーズはどんどん変わっていくのでどのデータをどの様に見るのかは都度変わります。そうすると数年前に設計したデータベースの基盤では対応が出来ない。常にシステムと現場の要望にタイムラグが発生してしまう。

だから、抽象度を挙げて全体的なマーケティング投資に対してどの程度の成果が出たのか、何が成果に貢献していて、何が成果に貢献していないのか、という点を見ながら投資と成果の関係性を見ながらマネジメントしています。

自分たちの事業を判断するために必要なデータがどこにあるのかを見極めて、逆にそこだけしっかりと押さえておけば十分だと思います。色々とトライした結果全てのデータを完璧に把握するという理想を追いかける姿勢は諦めました。

菱沼さん:
圧倒的に人手不足、マーケター不足ですね。以前、SaaS企業へのVC投資がどんどん増えているというデータを見たのですが、投資マネーが増えると、当然新しい会社とプロダクトも作られていきます。しかしその一方で、日本の労働人口は減少し続けていますし、マーケティング業務に携わる方の総数も減っている印象があります。

同じマーケティングの職種でも、BtoBはBtoC事業と比較するとマーケティング予算が少ないケースも多く、BtoCの方がダイナミックなマーケティング活動の経験が得られやすいので、そちらに流れてしまう人も多いんです。さらに、BtoBマーケターが少ないという背景から、高収入を求めてフリーランスとして独立していく方も増加傾向にあります。これらの外部環境要因から、企業でマーケターを確保するのが非常に難しくなっているのではないかと考えています。

加えて、正社員採用は文化ミスマッチや面接時に期待していたような成果が出せない博打要素も強いので、今後は業務委託などと併用したマーケティング組織を運用することが必要になってくると思います。

津隈さん:
人手不足は確かにありますね。例えば、メール1つ取っても、全員に一斉送信するより、4つにセグメントを分けるだけで、開封率が30%から35%に上がることがあります。皆さんやっていることだと思いますが、これによってさらに人手が足りなくなるんですよね。

そこで、どれだけAIの力を入れられるかっていうところが、大事なポイントだと考えています。

ーーAIが補完する領域もあるとは思いますが、どういうバランスで活用していくのかというのは難しいですよね。

菱沼さん:
AIの話で思い出したんですが、最近は生成AIと業務委託のマーケターにどれだけ上手く頼れるかがポイントになってきていると感じます。指示が的確で欲しいアウトプットがしっかり手に入れられる人って、要件定義がしっかりできる人だと思っていて。
要件定義力がないとどうなるかというと、業務委託のマーケターを採用しても「いい感じにお願いします」みたいな曖昧な指示になってしまうんですよね。

久我さん:
ちょうどその話、先月noteに書きました。要件定義ができないとやはりうまくいかないんですよね。

マーケティングは手法が多岐にわたるので、1人で全マーケティング施策を回すことは困難です。だからこそ、各分野に得意な人がいます。ですので、そのポジションに必要なスキルや経験などの要件をしっかり定めないと、採用も上手くいかないし、外部委託する時もコントロールが難しいと感じますね。

ーー参加者から事前にいただいた質問では、「AIに取って代わられないマーケターとは?」という問いもありました。

津隈さん:
社内でもよく言っているのは、AIを使いこなせる側になりましょうということです。

例えば、ChatGPTも社内で正式に使えるように稟議が通っていますし、社内で知識を共有しています。AIに取って代わられる不安を抱えるのではなく、それを活用してビジネスに活かしてAIを使う側になりましょう、というのが今の1つの答えだと思っています。

久我さん:
うちのマーケティングメンバーには、「MAツールを使える」のような、特定のツールしか使えない、特定の業務しかできない人材にはならないように、と話しています。

最終的な目的は事業のポジショニングを構築して、事業成長を加速させること。企業によって外部環境や内部環境は異なりプロダクトライフサイクルや戦略も異なります。その都度必要な打ち手が変わるのと同時に、マーケティング手法も常に変化しています。その時々で何が重要かを見極めながら変化出来る人材が望ましいと考えています。

トークセッション後の交流タイムでは、マーケター同士が悩みを共有し、最新のトレンドについて情報交換するなど、横のつながりがさらに広がりました。

今回のケータリングは、ピーティックス主催のイベントではお馴染みの「Foodist Link」さんにご用意いただきました。美味しい食事とお酒を楽しみながら会話も盛り上がり、あっという間にお開きの時間となりました。

さまざまな業界から集まったマーケターが一堂に会した今回のミートアップ。今後もオンライン・オフライン問わず定期的に開催していく予定ですので、皆さまのご参加をお待ちしております!


「Peatix Marketing Terrace」は、マーケティング業界のプロフェッショナルが集い、現代の激動するマーケティング業界における課題に対する知見や戦略を共有するイベントシリーズです。マーケティング業界に携わる皆様が連携し、新たなアイディアや手法を共有・発展させる場を提供します。

今後のイベント情報は、こちらのグループページでお知らせしていきますので、ぜひフォローをお願いいたします。

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