先端技術を農園で活用! 自然と格闘する中で得られる親子の「特別な体験」とは[KIKKAKE for Parents#3 イベントレポート]
プログラミング教育ってなに?どんどんIT化されていく世の中で、これからの子どもたちの学びと、その先の仕事はどうなるの?
そんな疑問や悩みを持つ保護者の皆さまに、女の子にプログラミングを始めるキッカケを提供するKIKKAKE実行委員会とピーティックスは、プログラミング教育について知り、考えるための2日間・全6セッションのオンラインイベント「KIKKAKE for Parents」を開催しました。
3つ目のセッションでは、ゲームチェンジャー育成アカデミーを運営するLead Innovationセンター代表の藤本雄一郎さんをゲストにお迎えしました。1万㎡以上の農園フィールドを舞台に、最新技術を駆使した果物栽培や自然探求に取り組むプログラムを立ち上げた背景や、子どもたちが得られる学びについてお話を伺いました。
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「ゲームチェンジャー育成アカデミー」立ち上げの背景
コンサルティング業界で長年働く中で、国内外で活躍する人たちをたくさん見てきたという藤本さん。活躍している人たちの要素としては主に3つあるそうです。
一つ目は、知的好奇心です。知らないことをどんどん覚えていくことが楽しくてしょうがないという人が多いといいます。そして、その知的好奇心から行動していく体力も重要です。
二つ目は、自分で組み立てていく力です。自分で課題を見つけて、解決できるように計画することが必要です。弱みを克服していくのか、強みをさらに伸ばすのか、自分で考えて組み立てていく計画立案力を養うことが大切です。
三つ目は、失敗に直面した時に、それを学んで再挑戦していく力です。ベンチャー企業の経営者や成功している方も、基本的に失敗だらけだそう。失敗に直面した場合に、再挑戦する意欲を持ち続けることや物事を楽しく続ける力も必要な要素です。
このアカデミーを立ち上げたのは、実践を通して子供たちにこういった力を身につけてほしいという想いがあったからだといいます。
「サバプロ」とは?
「サバプロ」とは、ゲームチェンジャー育成アカデミーの3つのプログラムのうちの一つで、一万平方メートルの農地に行き、先端技術や自然の力を活用した新たな農業に挑戦するプログラム。
センサーやカメラ、ドローン等の技術を活用し、育てるのが難しいホワイトイチゴやオレンジ色メロン等の栽培に取り組みます。作物の状況や、農地にやってくる虫や鳥などの生物をプログラミングAIで解析し、試行錯誤しながら、上手に育てる方法を考えていきます。
プログラムは1回数時間、全10回程度で完結。琵琶湖近くの農地や、東京/横浜/名古屋/大阪/京都などの各都市で実施していて、親子で参加できます。使用する先端技術の仕組みや面白い使い方については講師からしっかりレクチャーがあるので、プログラミング初心者のお子さまでも楽しめます。
“予測できない環境”で身に付く力
「サバプロ」の舞台である自然のフィールドでは、天候など予測できない要素が多く、動かしたいものが動かないなど、計画通りにいかないことも多いそう。
そういった失敗は良い経験となり、想定と違う事態が起こった時に原因をしっかり考えていく「課題発見力」が磨かれます。また、「仮説検証」を実践できる場でもあります。課題を発見したら、問題を解決するために再チャレンジする力が身につきます。
藤本さんからのメッセージ:「困難に挑戦する楽しさ」
藤本さんは、子どもたちにこのようなメッセージを伝えてくれました。
子どもたちには、プログラムを通して「困難なことに挑戦することの楽しさ」を一番伝えたいです。 技術の学習は手段なので、それを上手に活用して自分の人生を楽しんでほしいです。お金を稼いで生活を安定させるために仕事をすることも大切ですが、その中でも、自分ができることより少し難しいことに挑戦することを続けて、成長する楽しさを知ってほしいと思います。いきなり大きなことを目指さなくても、小さな一歩を繰り返すことで10年後には大きな変化が訪れることもあります。昨日の自分との比較ではなく、今日の自分との比較で成長していってほしいです。
[Q&A]
視聴者の皆さんから事前にいただいた質問にもお答えしてもらいました。
Q)プログラムに行って終わりにならないようにする工夫はあるのでしょうか?
A)プログラムが終わった後も、疑問や思いついたアイデアなどを自由に受け付けています。 自ら考える力を身につけてほしいので、「カメラを買って家で育てているトマトにつけてみたけど、どうかな?」というような子どものアイデアを現地でのプログラムに取り入れることもあります。 子どもたちの「やりたい!」という気持ちを尊重しているので、希望があればプログラム回数を増やしたりなど、イレギュラーな対応もしています。
Q)アイディアやつくったものの評価はどのようにしていますか?
A)つくったもの自体に対する評価はしていません。目的と手段をしっかり考えることが一番大切だと思うので、「何のためにつくるのか」という目的に対して、試行錯誤しながらアイデアを考えていく過程を重視しています。そのため、たとえ飛ばしたドローンが落ちてしまったとしても、「失敗」とは評価しないです。
自然というコントロールできない事態に直面した時に、どんな技術を使って、どう解決していくか。そういった課題解決に実践を通して取り組むプログラムは、子どもたちの発想力や仮説思考を育むことにつながります。日常の習い事とはまた違った、「非日常」な機会での子どもの圧倒的な体験・学びについてご興味のある保護者の方は、ぜひお子さまと一緒にホームページを覗いてみてください。
藤本さん、ありがとうございました!
▶︎ゲームチェンジャー育成アカデミーについてもっと知りたい方はこちら
▶︎KIKKAKE(きっかけ)~ガールズプログラミングフェス~とは
「KIKKAKE(きっかけ)~ガールズプログラミングフェス~」は、小学生へのヒアリング調査で、女の子は男の子と比較してプログラミングを学ぶ機会が少ないという課題を受け、女の子にもプログラミングを始めるキッカケを提供したい、という想いで2021年からはじまったプロジェクトです。
趣旨に賛同した全国のプログラミングスクールが、「女の子が楽しめる体験コンテンツ」を扱うプログラミングイベントをオンライン・オフラインで開催しています。
KIKKAKE 2023 ~ガールズプログラミングフェス~
◆KIKKAKE for Parents(きっかけ・フォー・ペアレンツ)とは
保護者の方向けに女の子へのIT教育の重要性を伝えることを目的として開催される、保護者向けセミナーシリーズです。
KIKKAKE for Parents