日常の工作をアップデート!お菓子の空き箱をロボット(toio)で動かしプログラミングのファーストタッチに [KIKKAKE for Parents#2 イベントレポート]
プログラミング教育ってなに?どんどんIT化されていく世の中で、これからの子どもたちの学びと、その先の仕事はどうなるの?
そんな疑問や悩みを持つ保護者の皆さまに、女の子にプログラミングを始めるキッカケを提供するKIKKAKE実行委員会とピーティックスは、プログラミング教育について知り、考えるための2日間・全6セッションのオンラインイベント「KIKKAKE for Parents」を開催しました。
このセッションでは、株式会社明治の本間 由香里(ほんま ゆかり)さんと、株式会社ソニー・インタラクティブエンターテイメントの早坂 恵(はやさか めぐみ)さんのお二人をゲストにお招きし、明治とロボットトイtoio(トイオ)のコラボについてや、小さなお子さんでも楽しみながらプログラミングに触れることができるtoioの使い方についてお話を伺いました。
明治「工作名人」とロボットトイtoio(トイオ)について
まずは、株式会社明治が10年以上前から行っている「工作名人」のご紹介です。
工作名人とは、食べ終わったお菓子の空き箱を新しいものに生まれ変わらせる、楽しい工作です。例えば、きのこの山の空き箱を使って”くるま”を作ったり。工作のレシピは、50以上もあるそうです。
また、最近では、通常捨てられるものを再利用するという観点から、SDGsを体験するきっかけとしても提案しています。
toioは、子どもたちの手のひらにのるくらいの小さなサイズのキューブ型ロボットトイです。PCやタブレットにつなげずに簡単に動かすことができるので、小さなお子さんはtoioを工作の作品に組み込むだけで遊ぶことができます。
toioは段階を踏んでプログラム体験もできるロボットなので、工作のほかに、レゴブロックをつけて飾ったり、動きをプログラミングしたりして、子どもから大人まで楽しむことができます。
子どもたちが大好きなお菓子と、プログラミングが学べるロボットtoioを組み合わせることによって、日常の工作をより楽しく主体性を持った遊びにアップデートすることができます。
現在公開されているコラボレシピは2つ。「きのこの山」の空き箱でつくるワニさんと、「プッカ」の空き箱でつくるキリンさんです。どちらのレシピも、toioと簡単に合体できる点、そしてtoioの動きに合わせて動物をうごかせる点が特長です。
また、toioでは段階的なプログラミング学習が可能。リアルなロボットでの対戦型ゲームを自らプログラムしたり、ロボコンのようにタスクをクリアしながらロボット同士で競わせるなど、使用するプログラミング言語を高度にしながらいろいろな遊びを展開して楽しむことができます。
お菓子の箱を使った工作についても、レシピどおりにつくるだけでなく、自ら設計・工作することができるし、それを動かすプログラムも自分で考えるという形で発展させることができます。お菓子の箱を使った工作という「物体としてリアルにあるもの」を動かすことができる、というtoioの特徴が、ゆくゆくハイレベルなプログラミングになったときでも活きてくると思うと早坂さんは話します。
プログラミング教育がなぜ必要なのか?
そもそも、なぜプログラミング教育が必要なのでしょうか?
「プログラミング」と聞くと、真っ黒の画面に向かって文字を打ち込むというイメージが浮かぶ人も多いのではないでしょうか?
ですが、プログラミングで身につく力は、コードを書いてプログラムを動かすスキルだけではなく、物事を最適な段取りで進める「マルチタスク」の考え方です。
ロボットに並べた命令カードの動きを覚えさせるtoioの専用タイトル「GoGo ロボットプログラミング」では、10回同じ動きを繰り返したいとき、同じ命令カードを10枚使わずに「くりかえし」をプログラムすることにより、最短で目的を達成させるという方法を学ぶことができます。この「最短で目的を達成させる」方法を考えるのが「プログラミング的思考」であり、プログラミングを学ぶことによって、マルチタスクの考え方を身につけることができるのです。
toioは小さなお子さんでも遊べる?
toioを使うと、初級、中級、上級と段階を踏んで様々なタイプのプログラミングを体験することができます。
初級は紙のカードや本を使って論理的思考を育む「アンプラグドプログラミング」。PC不要で楽しくプログラミングの基本を体験でき、「プログラミング的思考」の体感的理解につながります。
中級はパソコンやタブレットを使う「ビジュアルプログラミング」で、座標を使ってtoioで図形を描いたり、ロボットを制御するプログラミングを簡単に実践することもできます。
そして上級のJavaScript等を用いた「テキストプログラミング」に至るまで、段階的なプログラミング学習が可能です。
明治xtoioをプログラミングのファーストタッチに
明治×toioのワークショップは、最初から「プログラミング」と言わないところがポイント。
まずは、お菓子を食べて、その後に工作を親子で楽しむ。そして、つくった工作をtoioのロボットで動かす。ワークショップの写真からも、子どもたちが夢中になって、目をキラキラ輝かせて工作を楽しんでいる様子が伺えます。
[Q&A]
視聴者の皆さんから事前にいただいた質問にもお答えしてもらいました。
Q)そもそもプログラミングは小さいころから必要なのでしょうか?
A)プログラミング」というより「プログラミング的思考」を身につけるのは早いほど良いのではないでしょうか。プログラミング的思考を身につけることで、何事も段取り良く要領よく論理的に進めることが出来るようになると思います。
Q)プログラミング=PC、タブレットやスマートフォンに長時間触れる印象があり、その延長でゲームやYouTubeにハマってしまうきっかけになってしまうのではという心配があるのですが、親はどう見極めたらよいのでしょうか?
A)今回の工作×toioコラボではPCは不要ですし、toioはPCやタブレット、スマホに触れることなくtoioだけでプログラム体験ができます。操作も簡単で、ネットサーフィンを通して過剰に情報に触れる心配もありません。
でも最終的には、各ご家庭でルールを決める!というのが答えだと思います。
早坂さんのご家庭では、スマホは常に保護者が確認できる状態にしてお子さんに貸しているそうです。また、スマホを触るのは宿題などのやる事をやったあと21時まで。YouTubeやTikTokの視聴時間の上限を決めるのも有効です。お子さんの年齢やご家庭の方針で決めていけると良いのではとお話してくださいました。
Q)両親とも働いており、放課後は殆ど学童で過ごしています。学童でも導入してもらえると嬉しいのですが、そういう事例もありますか?
A)はい。実はこの夏、一部の学童施設(全国11自治体、約260カ所の放課後児童クラブ・放課後子ども教室にて)でtoioを活用頂いた事例があります。今後も活用・導入を増やしていきたいと考えています。
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小学生から学ぶことが当たり前になっている「プログラミング」ですが、皆が皆、最初からプログラミングが好きになれるとは限りません。ですが、日常で行っている遊びである「工作」と組み合わせることで、無理なく日常にプログラミングの要素を取り入れることが可能になります。
toioは、お子さんがもともと持つ興味の中でプログラミングを学ぶきっかけにつながるツールです。お子さんの好きなお菓子や興味のあることの中から、自然にプログラミングを学べる環境を整えてあげるのは、楽しい最初の一歩の作り方として良いアイデアではないでしょうか。
本間さん、早坂さん、ありがとうございました!
▶︎工作名人やtoioについてもっと知りたい方はこちら
▶︎KIKKAKE(きっかけ)~ガールズプログラミングフェス~とは
「KIKKAKE(きっかけ)~ガールズプログラミングフェス~」は、小学生へのヒアリング調査で、女の子は男の子と比較してプログラミングを学ぶ機会が少ないという課題を受け、女の子にもプログラミングを始めるキッカケを提供したい、という想いで2021年からはじまったプロジェクトです。
趣旨に賛同した全国のプログラミングスクールが、「女の子が楽しめる体験コンテンツ」を扱うプログラミングイベントをオンライン・オフラインで開催しています。
KIKKAKE 2023 ~ガールズプログラミングフェス~
▶︎KIKKAKE for Parents(きっかけ・フォー・ペアレンツ)とは
保護者の方向けに女の子へのIT教育の重要性を伝えることを目的として開催される、保護者向けセミナーシリーズです。
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