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プログラミング的思考で広がる選択肢。パーソルキャリアが紹介する、女の子が幸せに「はたらく」ためのいまと未来 [KIKKAKE for Parents#4 イベントレポート]

プログラミング教育ってなに?どんどんIT化されていく世の中で、これからの子どもたちの学びと、その先の仕事はどうなるの?

そんな疑問や悩みを持つ保護者の皆さまに、女の子にプログラミングを始めるキッカケを提供するKIKKAKE実行委員会とピーティックスは、プログラミング教育について知り、考えるための2日間・全6セッションのオンラインイベント「KIKKAKE for Parents」を開催しました。

4つめのセッションでは、パーソルキャリア株式会社の山内文絵氏、早川由実子氏、東川容子氏をゲストにお迎えし、女の子が幸せに「はたらく」ためのひとつの選択肢としてのIT業界の魅力と、そこで重要となる「プログラミング的思考」についてお話を伺いました。

女性の労働環境の変化と女性がしあわせに「はたらく」カギとは

近年の研究で、主観的幸福感には自己決定が強い影響を与えることがわかってきました。パーソルグループの方々は、私たちの生活の多くの割合を占める「はたらく」を自ら選択するということも、幸福度を高めるために重要なことだと考えています。

女性の年齢別労働率をみると、昔と今では変化がみられます。

かつては30〜50代で離職する人が一定数おり、労働率グラフは「M字型」と呼ばれてきましたが、近年その傾向は低くなり「台形型」に近づいてきています。

この変化から、様々なライフステージの変化を経ながらも働き続ける女性が増えてきていることが見て取れます。


女性が活躍しやすい業界:IT業界の特徴

女性が活躍しやすい業界としてお二方が紹介するのがIT業界です。

まずは人材需要の面から。IT業界は今後も人材需要が高まっていくと予測されており、就職の機会も多くある業界です。

また、他産業と比較して男女間の賃金格差が小さいのもIT業界の特徴のひとつ。公平な評価を得られるという点も「しあわせにはたらく」という点に大きく影響すると考えられます。


テレワーク普及率も高く、勤務場所や時間の面で柔軟な働き方を実現しやすいのもIT業界の強みです。

そして意外なことに、すでに女性のテック人材の割合は欧米と同水準。女性の活躍はどんどん進んでいます。また、異業種からの転職も大幅に増えており、これからもIT業界で活躍する女性は増えていくことが予想されます。


そもそもITってなに?IT業界の仕事の内容や活躍できる人材とは

そもそも「IT」とはなんでしょう?

ITは「Information Technology(情報技術)」の略で、世の中を便利で豊かにする技術全般を指します。

ITを活用して身の回りの製品やサービスはどんどん新しくなっています。例えば、保護者世代の皆さんが子どもの頃に目にしたことがある紙媒体の地図は、今やカーナビやスマートフォンの地図アプリケーションに、黒板での授業は一部タブレットを用いた学びに、手紙や公衆電話はパソコンやスマートフォンでのやりとりに置き換わっています。

ITは製品やサービスのみならず、私たちの日常生活の行動や価値観にも影響を与えています。


「IT業界の仕事」と聞くとパソコンに向かってコードを書くようなプログラマーをイメージする人が多いかと思いますが、多種多様な職種の人が活躍できる業界です。

システム開発を行うプログラマーはもちろんですが、プロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャー、システムを稼働させるための土台となる環境をつくるインフラエンジニアなど、多くの役割の人が製品づくりに関わっています。できあがったプロダクトは営業やコンサルタントが顧客に紹介・販売し、顧客からのフィードバックを受けるカスタマーサポートや実際の利用データを分析するデータアナリストなど、多種多様な人が力をあわせて製品・サービスを提供しています。

技術力のみならず、様々な職種で自分の強みを生かしながら貢献できる業界なのです。


IT業界で働く上で必要な力:プログラミング的思考とその身につけかた

急速な勢いで変化する世の中において、これから必要とされる力はどのようなものでしょうか?

文部科学省も、今後の時代の変化と必要な力について、「仕事・学習・家庭・余暇など全ての生活においてITを活用し、問題解決することが必要不可欠な社会、将来の予測が難しい社会が到来する」と言及しています。そのような変化の中で、「こどもたちが自らの人生を幸せなものにするために、変化に飲まれるのではなく、主体的に向きあう力が必要」と述べています。

そして、この予測できない変化に主体的に向き合う力として「IT知識・技能」、「学びに向かう力」、そして「プログラミング的思考」が挙げられています。

プログラミング的思考とは、「目的を達成するために、筋道をたてて、根拠を持って考え、最適な解を導くための思考」です。コンピュータープログラミングを例に挙げると、「やること」と「順序」を決めて、それからコンピューターへの効果的な命令の組み合わせを考えるという要素に分けることができます。

パッと聞くと難しそうに聞こえますが、実は私たちも日常生活において料理や物事の計画においても同様の思考を行っていて、それらをプログラミングにも適用・発展させていくことでプログラミング的思考を用いた活動ができるようになっていきます。

予測できない変化の時代だからこそ、「自らの意思を持って目的を設定し、道筋を立て、最適な解を導く」 といったプログラミング的思考が、これからを生きるこどもたちにとって必要不可欠な基礎力となります。


それでは、これから子どもたちはプログラミング的思考をどのように身につけていったらよいのでしょうか?

まず、プログラミングは小中高で必修化されているので、学校で学ぶことができます。もう少し他の角度からの学びを取り入れたい場合は、民間のスクールに通うという選択肢もあります。

いまは自宅で体験できるオンライン教材もたくさんあり、無料のものもあります。まずはいくつか試してみて、お子さんがどのような分野に興味を持つのか見てみても良いかもしれないですね。


実は日常にこそプログラミング的思考を身につけられる学びの機会はたくさんあります。

料理、掃除、休みの日の一日の過ごし方を計画することは、目的・道筋を立てて計画し、失敗したら振り返って見直しをする実行の機会です。

おうちの方がお手伝いをお願いする際も、「カレー作ってね」というお願いの仕方からだんだんと「夕ご飯つくってね」というざっくりとしたお願いにしていくと、何を作るのかを決めたり、どのように作るのか調べるところから子どもが試行錯誤して実践することができる機会となります。

日常生活の中でのちょっとした工夫で、子どもの力を育んでいくことができます。

将来を見据えた子どもの進路選択について

将来を見据えた上で、その手前の進路選択についてはどのように考えたら良いのでしょうか?

まず、早い段階からプログラミングが好きなお子さんであれば情報工学系の学びはおすすめです。大学でも様々なコースで学べますし、もっと早くから興味関心が定まっていれば高校や高等専門学校の時点でプログラミングを学び始めてスキルを伸ばしていくことができます。

一方で、進路選択の時点で方向性が定まっていないケースも多々あるかと思います。その場合は、ご自身の興味のある分野を学べば大丈夫です。文系学部からIT業界への就職事例はまったく珍しくないですし、就職したあとから、興味や必要性に応じて独学でエンジニアになるケースも多々あります。学生時代の学びによってIT業界への就職が困難になることはないので、その時点の興味関心や希望を考慮した進路選択をして良いと考えられます。


文系・理系どちらも選ぶという選択肢もあります。大学の最近の傾向として文理横断・文理融合系学部を持つ大学も増えてきました。経済や社会課題の解決にはITやデータ活用が必要不可欠であり、そのような人材が求められていることが背景にあります。

多様なカリキュラムから学ぶことができたり、異なる分野の知識を組み合わせて問題解決に取り組んだり、異なる専門分野の学生が協力してプロジェクトを実施したりすることができるのが特長です。


[Q&A] 未来の職をイメージできる体験の場はありますか?/急激に変わる世の中で、身につけたスキルがすぐに通用しなくなるのではという不安があるのですが...

視聴者の皆さんから事前にいただいた質問にもお答えしてもらいました。

Q)未来の職を具体的にイメージできる体験の場がないような気がしています。どのように体験できると良いでしょうか?

A)たとえばプログラミング体験イベントに参加してみたり、科学・テクノロジーミュージアムに行ってみたり、地元の企業・大学との連携イベントに行ってみると、未来の仕事についてイメージできるような体験を得ることができることがあります。

常にアンテナを張っておくことが大切で、いろいろと探してみることで最新の情報を得ることができます。

Q)どんどん社会から求められるスキルも変わるので、いま身につけたスキルがすぐに通用しなくなったりもするのではと思うのですが、そのあたりはどのように考えたらよいのでしょうか?

A)現在の世の中のシステムが今後20-30年でなくなるということは考えにくいので、今のプログラミング的思考がすぐに通用しなくなることは考えにくいと思います。

一方で、ChatGPTなど新しい技術はどんどん生まれていくので、そこにアンテナをはって常に自分をアップデートしていくことは必要になるかと思います。それについてもIT業界で仕事をしていれば自然に情報は入ってきますし、スキルアップしやすい環境かと思いますし、そうやってアンテナを張ってご自身をアップデートしていくことは必要かと思います。

まとめ:保護者の皆さんへのメッセージ

私たちは、子どもたちが人生やキャリアについて、自分自身でハンドルを握り、変化の激しい時代の中でも自己決定していくことが大切だと考えています。

そのために、日々のひとつひとつの選択の機会において、こどもたちが自己決定できるサポートを保護者の皆さまが意識して行っていただくことで、それがこどもたちの力になっていくと思います。本日の内容の何かがお役に立って、お子さんの将来の可能性を広げることにつながることを願っています。

山内さん、早川さん、東川さん、ありがとうございました!


▶︎KIKKAKE(きっかけ)~ガールズプログラミングフェス~とは
「KIKKAKE(きっかけ)~ガールズプログラミングフェス~」は、小学生へのヒアリング調査で、女の子は男の子と比較してプログラミングを学ぶ機会が少ないという課題を受け、女の子にもプログラミングを始めるキッカケを提供したい、という想いで2021年からはじまったプロジェクトです。

趣旨に賛同した全国のプログラミングスクールが、「女の子が楽しめる体験コンテンツ」を扱うプログラミングイベントをオンライン・オフラインで開催しています。
KIKKAKE 2023 ~ガールズプログラミングフェス~


▶︎KIKKAKE for Parents(きっかけ・フォー・ペアレンツ)とは
保護者の方向けに女の子へのIT教育の重要性を伝えることを目的として開催される、保護者向けセミナーシリーズです。
KIKKAKE for Parents