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「自分のために」 を後回しにしない。 母親が 「自分」 でいられる居場所、母親アップデートコミュニティとは [IWD2024 コミュニティインタビュー #1 ]

3月8日は、女性をエンパワーし、ジェンダー平等な社会を目指す「国際女性デー」です。

イベント・コミュニティプラットフォームであるピーティックスには、女性がいつでも自分らしい生き方を選択できる社会を推進するコミュニティがたくさんあります。

今年の国際女性デーのテーマは「Inspire Inclusion(インクルージョンを促進しよう)」。このテーマに沿って、女性が参加しやすい、包括的な社会を目指すコミュニティへインタビューを行いました。


今回ご紹介するのは、一般社団法人母親アップデートの代表理事・鈴木 奈津美(すずき なつみ)さん。
「母親を、もっとおもしろく。」を理念に、それぞれが自分の人生を楽しみ、自分の幸せを探求できる居場所としてコミュニティを運営しています。

孤独を感じやすい「母親」たちが、「ひとりの自分」としてつながる。
好きなこと・やりたいことを少しずつ見つけ出し、自分らしくいられる「母親アップデートコミュニティ」とは、どのような場所なのでしょうか。

一般社団法人母親アップデート代表理事・鈴木 奈津美 (すずき なつみ・なつみっくす)さん
一般社団法人母親アップデート 代表理事 / 母親アップデートコミュニティ発起人
自身が母子家庭で育った経験から、「母親だからできない」を無くしたいと思い、コミュニティを立ち上げるに至る。 多様な価値観をミックスすることを大切に活動。 2019年1月 「母親を、もっとおもしろく。」をビジョンに母親アップデートコミュニティを立ち上げ。 2020年8月 一般社団法人母親アップデートを設立。
2002年よりIT企業に勤務、企業向けマーケティングに従事、社内でダイバーシティコミュニティを立ち上げ・運営。2022年10月に転職し、会社員として複業。「ひとりひとりの可能性が解放される場をつくる」をミッションに活動中。


ーー鈴木さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします!早速ですが、母親アップデートコミュニティとは、どういう活動をされているコミュニティですか?

「母親をもっとおもしろく」を、理念に掲げて活動していて、今年で5周年を迎えました。
理念には2つ意味合いがあって、1つは「自分の人生をもっとおもしろく」ということと、2つめが「母親の社会におけるイメージをもっとおもしろく」ということです。
 全国(一部海外)のメンバー200人ほどのコミュニティで、基本的にオンラインで活動しています。


ーーコミュニティを始められた背景やきっかけは何だったのでしょうか?

大きく2つあります。1つは「自分自身の課題感」、もう1つは「社会における課題感」でした。

前者については、私自身が母子家庭で育ったということもあり、「母親はこうあるべき」という理想像に縛られて、自分のやりたいことができない、自分の人生を生きられない、ということが起こりがちだと感じていたという原体験があります。 
私には9歳の息子がいるんですけれども、ワーキングマザーとして育休から復帰した時に、「母親はこうあるべき」というのが自分の中にもすごくあって、自分で自分を縛ってしまってことがありました。それに気づいたときに、自分が子どもの時から30年以上、実は状況が全然変わっていないのではないかと思ったんです。

後者の「社会的な課題感」としては、自分1人で子育てなどの悩みを解決しないといけないという風潮があるということ。核家族といわれる小さな単位の家族が当たり前であるとか、 ご近所付き合いが失われているとか、いろいろな世の中の変化があって、”孤育て(周囲の協力が得られず、孤立した環境での子育て)”が社会問題化している状況があると思います。
さらに、いまは母親ではない方々からも「そこまでしんどいならやりたくありません」という声もあり、もっとつながり合って課題を解決したり、励まし合ったりできるのではないかと思い、コミュニティを立ち上げました。


ーー5年間活動されてきて、実際に集まっている皆さんの生活や仕事にはどのような変化がありましたか?

コミュニティメンバーはワーキングマザーだけでなく、専業主婦であったり、住んでる地域や職業、子どもの年齢もバラバラなので、本当にいろいろなエピソードがあります。

例えば、立ち上げ当初から参加してくれている東北に住む専業主婦のメンバーは、顔出しなしでイベントを覗くという関わり方から始まり、今ではNPOで性教育を全国に広める活動に関わるなど、自分が興味を持ったことを深めています。

世の中的に、専業主婦とワーキングマザーは対立構造にされがちですし、どんな選択をしたとしても罪悪感が生まれるんですよ。専業主婦の方は「働いてない自分はダメなんじゃないか」とか、ワーキングマザーの方は「働いているから子どもに時間をかけられない」とか。
コミュニティを通じて、100人100通りの生き方に触れることで、そういった罪悪感も薄れていくのかなと思います。


ーー今年の国際女性デーのテーマは「Inspire Inclusion(インクルージョンを促進しよう)」ですね。女性たちが居心地良く活動できるように意識されていることはありますか?

私たちには、「誰も否定しない」というたった1つのルールがあります。「誰も否定しない」というのは、「受け入れる」のではなく「受け止める」こと。
「受け入れる」というのは、私はAと思っているけど、Aを捨ててBを取り入れるということ。それだとしんどいですが、「あ、Bなんだ」とただ「受け止める」だけで良いと思っています。
先ほどもお話ししたように、母親はどんな選択をしたとしても罪悪感が生まれやすいんです。そんな中で、自分のことを否定しない、相手のことを否定しない。簡単ではないですが、大事にし続けています。

また、コミュニティではアクティブな人や昔からいる人が目立って、新しい人が入りづらいということが起きがちですが、誰でも発言できて、何もしなくてもそこにいていいんだと思えるコミュニティを実現したいと思っています。


ーーそれを多くのコミュニティができたら、すごく素敵な世の中になりますね。母親アップデートコミュニティは、子どもを介した母親としてのコミュニティではなく、ひとりの人としてつながっているコミュニティかと思います。そういった「ひとりの自分」としてつながることが、メンバーの方々にどのような影響を与えているのでしょうか?

私が母親になって実感したのは、「◯◯くんのママ」と呼ばれるようになったり、自分として誰かと接する機会が本当に少ないということです。下手すると「ひとりの自分」として人と関わる時間が毎日0分ということが続くので、「自分のアイデンティティが失われた」と言うメンバーも多かったです。コミュニティの中では自分の名前やニックネームで呼ばれるので、それだけでめちゃくちゃ新鮮ですね。
家庭でも職場でもないサードプレイスでは、「母親」というアイデンティティで参加してもらうのではなく、「自分」として参加してもらうことにすごく意味があると思っています。


ーーこの記事を読んでいただいている方の中には、鈴木さんのお話を聞いて自分と向き合う時間をとってみようかな、と思われた方もいらっしゃると思います。鈴木さんから、女性たちへのエールや応援メッセージをいただけますか?

「自分を否定しなくていい」「ありのままの自分でいい」ということは何度でも言いたいです。
また、何よりも「ご自愛」してほしい、自分で自分を愛してほしいと思っています。それはわがままではなく、自分のご機嫌を大切にすることが、人に優しく接することや、新たな気づきが生んだりすることにつながると思うんです。
忙しくてそんな余裕すらないという方がほとんどだと思いますが、皆さん基本的に頑張りすぎていることが多いので、「ご自愛」を意識していただくと、少しずつ抱えているものを手放せたり、余裕が生まれてくるのかなと思います。

ーー鈴木さん、ありがとうございました!


母親アップデートコミュニティ
ピーティックスページ:https://huc-official.peatix.com
ウェブサイト:https://haha-update.com/huc/




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ピーティックス、国際女性デーに向けて関連イベント・コミュニティ支援を開始 -ジェンダー平等やダイバーシティ&インクルージョンについて考える機会の拡張・推進に貢献-
https://note.com/peatix/n/n82c16fc36175