見出し画像

「看護師✖️〇〇」ナースライフにも多様性を [医療系コミュニティインタビュー#1]

日本の医療業界には、日々多くの命と向き合い続けるプロフェッショナルたちがいます。

ピーティックスでは、医師や薬剤師、看護師など、医療業界を支える人々が集まり、それぞれの経験や知識を共有する場としてご利用いただいています。

今回は、そんな医療の最前線で活躍する方々と、彼らのコミュニティにスポットライトを当て、その活動や取り組みについてお話を伺いました。

今回お話を伺ったのは、ナースライフバランス研究室の西山 妙子(にしやま たえこ)さん。

ナースライフバランス研究室は、看護師としての自由な働き方やプライベートを充実させるための情報や活動を日本中のナースとシェアすることで、1人でも多くの看護師が「自分らしさ」を大切に、自由で面白いナースライフを過ごせる世の中を目指すコミュニティです。


西山 妙子さん
2001年に看護師資格を取得、総合病院、大学病院、訪問看護ステーションにて勤務。看護部長を拝命、199床総合病院で管理職を経験した。現在は訪問看護に従事。2017年より看護師のオンラインコミュニティー「ナースライフバランス研究室」の企画運営を行う。現在メンバーは1000名を超える。看護部長の経験とコミュニティの看護師のアイディア・意見を元に病院・施設向けに看護師の直接採用、看護師の定着支援サービスを行っている。


ーー本日はどうぞよろしくお願いいたします!まずは、西山さんのご活動について教えてください。

普段は、看護師として訪問看護ステーションに従事しています。その傍ら、2017年ぐらいから看護師向けのオンラインサロン形式のコミュニティを運営・企画をしています。
活動内容としては、病院向けの看護師の採用支援や定着支援に関わるPR活動をサポートしています。この取り組みは、オンラインサロンのメンバーである看護師さんたちと共にアイデアを出し合い、事業化した2つのサービス「PRナース」と「メンターナース」として、病院向けに提供しています。
ピーティックスでは、看護師向けのイベントや勉強会を開催しています。


ーーこのコミュニティを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

私がホリエモン(堀江貴文さん)がやってる、堀江貴文イノベーション大学校(HIU)というオンラインサロンに入ったのがきっかけでした。そこで、看護師の人手不足を解消するためのコミュニティサイトを作ろうとを堀江さんが言っていて、その企画に看護師だったので手を挙げたのがきっかけでした。コミュニティを作った当時のメンバーは全員が看護師というわけではなく、エンジニアの人や製薬会社の人がいて、いろんなオンラインサロンメンバーが企画に携わってくれていました。

オンラインサロンっていう文化に触れた時、すごく私は楽しいと感じましたし、オンライン上でしか出会えないような様々な背景のある人たちと、 時間とか空間を超えて交流できる。その上、実際にお会いした時はすでに友達からスタートできるという、非日常的な新しい形で人とのつながりができ、普段は体験できないようなことを体験することができました。看護師は結構疲弊しやすいお仕事ではあるので、看護師さんたちにもそういう機会があると、もっと楽しく仕事をしたりとか、新しい情報を得たりとか、いろんな人とのつながりができて良い影響があるのではないかと思いました。


ーー活動を始められた当時と今とで活動内容の変化はありましたか。

初めはFacebookグループを活用していましたが、今は情報提供型のスタイルに切り替えたというのもあり、公式LINEなどを使ってコミュニティの皆さんに情報を一斉に送り、イベントを開催するような流れに変わってきています。あとは、ナースまつりというイベントを去年から開催しています。このイベントの企画運営を担当してくれる方々を有志で募り、情報提供だけでなく、新たな活動の場も提供しています。 

ナースまつり実行委員メンバー


ーー看護師向けの情報発信は具体的にどんな内容を発信しているんですか?

看護師が何か新しいことをしたいと思った時に背中を押せるメディアというコンセプトで「ナースの人生アレンジ」というオウンドメディアをコミュニティメンバーで制作しております。そこでは、看護師さんたちの経験だったりとか、私はこういうことをきっかけにこういうことをしていますよとか、こういう仕事選びをしていますとか、ロールモデルの紹介みたいな形で、様々な看護師にインタビューをさせていただいて、それを記事化して発信しています。


ーー西山さんがこのコミュニティを運営する上で1番大切にされてることは何ですか?

私は、看護師さんたちが自分の興味があることや、やりたいことを自分のやりたいようにやってもらいたいなって思っています。なので、コミュニティを運営する上で大切にしていることとしては、参加者やコミュニティメンバーがやりたいことができるよう余白を作るように心がけています。

自発的に何かを推進していくって結構難しいし、エネルギーがいることだと思いますが、1つのイベントを開催するとか、メディアを作るとか、何らかの形で目的を合わせて、それに向かって一緒に活動してくれる人たちが1人ずつ増えていきながら、 新しい体験につながればと思っています。一見、看護師の仕事と全く関係のないようなことをしてるように思えるんですけど、それが意外と看護の仕事にも役に立つとか、人生経験として深みを得る、教養を増やすとか、そういうことにつながっていくんだろうなと思っています。

第1回病院以外の働き方 ナース図鑑 リアルイベントの様子


ーーピーティックスのグループページにも記載がある「自由で面白いナースライフ」とは?

看護師さんたちって8割ぐらいの人が病院で勤めてるんですね。病院での既存の働き方や「看護師とは」みたいなものに囚われている人も多いんじゃないかなと思っていて。社会的信頼もあって、国家資格であるという強みはもちろんあるんですが、患者さんのために自分を押し殺してでもしなきゃいけないような仕事だったり、ストレスが多かったりすることもあります。
なので、病院で週に5日勤務夜勤をしてという勤務体系だけではなくて、もっとライフスタイルに合わせて、例えば子育てしながら看護師をするとか、看護師と別のこととを掛け合わせて何かをするとか、看護師の経験を使って違う仕事をするとか、看護師といっても、いろんな人がいると思います。働き方も自由に選択することができる多様性を、もっと強みにしていっていいんじゃないかなって思っています。

自分自身の看護師としてのキャリアも並行しつつ、他のことにもチャレンジする。病院で働く以外の看護師の活かし方も面白いんじゃないかなって思ってます。


ーー「看護師✖️〇〇」のような意外な掛け合わせで活動されている方にはどんな方がいるんですか?

私たちは、コミュニティ名に「ナースライフ」という言葉を使ってますが、この「ライフ」の中には、仕事のことだけではなく、生き方や生活の「ライフ」の意味も込めていて。
看護師をしながらプロスノーボーダーですとか、そういう趣味をプロに持っていったみたいな人もいますし、今病院向けにやってるサービスでは、看護師の知識や経験にプラスして、ライター、デザイナー、カメラマンなど、そういう他の分野を掛け合わせることで、それを価値として提供している人たちがいます。


ーーもう一つの職業や趣味を通して経験したことが看護師の経験にどう活きるんですか?

今一緒に仕事している人は、エンドステージフォトという形で、がん患者さんたちを写真に撮ったりされてるんですね。「生きる」ということにフォーカスして写真を撮るんですが、看護師の経験があるから撮れる写真もあるし、写真を撮るきっかけがあるからもっと深い話を聞ける。そこでの経験が看護師としても活きているんだろうなって、彼女の活動を見ていて思います。


ーー最後に、日々医療業界を支える看護師さんたちにメッセージをお願いいたします。

ひとえに看護師といっても、いろんな生き方や働き方があると思っています。それに看護師って、すごくいい仕事だと思ってるんですね。看護師であることをもっと誇りに思えるようになったらいいなと思うので、看護について語るもいいですし、働き方について語るもいいですし、その延長線上で何か新しいことに挑戦するとか、いろんなワークがあると思うんですが、そういうことをナースライフバランス研究室をきっかけに始めていってもらえたらいいなと思っています。


ーーこれからも西山さんのご活動を応援しています!ありがとうございました!


ナースライフバランス研究室

ピーティックスグループページ:

ホームページ: