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個人ユーザーから企業まで愛されるサービスの成長の舞台裏 ゲスト:note株式会社 津隈 和樹氏 [Marketing Terrace vol.5 イベントレポート]

イベントやセミナー、コミュニティを中心としたマーケティングが新たな潮流として注目を集める中、イベント・コミュニティサービスである「ピーティックス」は、マーケティング業界のプロフェッショナルが集い、現代の激動するマーケティング業界における課題に対する知見や戦略を共有するイベントシリーズ「Peatix Marketing Terrace (ピーティックス マーケティングテラス)」を定期開催しています。

Vol.5のゲストは、note株式会社 マーケティング&コミュニケーショングループ長の津隈 和樹(つぐま かずき)氏。

クリエイターが文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームの提供をしているnote社が、法人向け高機能プランである「note pro」のThe Model型組織の推進を行い、成長へ導いたストーリーやその過程で直面した課題についてお話しいただきました。また、津隈氏がグループ長を担う、マーケティング&コミュニケーショングループの組織の役割やSaaS領域でのリード獲得施策についてもお話を伺いました。


■ 開催日:2024/7/22 (月) 15:00 - 16:00

■ 登壇者:
津隈 和樹氏 [ note株式会社 note事業本部長/マーケティング&コミュニケーショングループ長 ]

新卒で日本マイクロソフトに入社後、フィールドエンジニアとしてクライアントの開発支援に従事。アジアでのアプリケーションコンサルタントを経て、プロダクトマーケティングマネージャーを経験。2020年よりnote株式会社に入社し、note事業ならびにマーケティングの責任者として従事。

note株式会社
note:津隈 和樹
X:@tsugumakazuki


ピーティックス藤田 (以下 藤田):
津隈さんがグループ長を務めていらっしゃる「マーケティング&コミュニケーショングループ」は、noteの中ではどのような役割なのでしょうか?

note株式会社 津隈さん (以下 津隈さん):
入社初期はマーコム(マーケティング&コミュニケーショングループ)はなくて、toBのマーケティングチームを組成したり、 toCのマーケティングチームを作ったりというところから始まりました。

お客様へのタッチポイント全てを統合的にデザインしながら業績を作っていくのが広義のマーケティングだと思っているので、マーケティング&コミュニケーショングループにはPRやユーザーコミュニケーション、プラットホームの運用チームなどが含まれています。

役割としては、note事業の売り上げやコスト、ブランディングも含めて責任を負っています。

藤田:
津隈さんが​​「note pro」を担当された際、いわゆる分業体制のThe Model型組織を推進されたと伺いました。具体的にはどういう組織なのでしょうか?

津隈さん:
私が入社したときは1人目のマーケターで、新規事業であるnote proを少人数で立ち上げていました。その際、リード数が圧倒的に少なかったため、良いリードを得ることが必要だと感じていました。そのためには、マーケター、インサイドセールス、セールス、カスタマーサクセスといった各領域にスペシャリストをおいて組織を作るのが成功に近いと考えました。

初期段階では、専門知識を伸ばす必要があり、チーム間をつなぐKPIを設定することが課題でした。マーケティングのMQLやセールスのSQLなどの定義をすり合わせるのは難しかったですね。契約数が増えてくると、初期に決めたものがワークしなくなったりもするので、適宜調整し、コミュニケーションを密にすることが重要だと思います。

藤田:
「note pro」の認知を取るために、どのようなアプローチをされていましたか?

津隈さん:
マーケティング手法は世の中にたくさんあると思いますが、わかりやすい例としてお伝えできるものだと、「B = MAT」という考え方があります。 これは、何かの行動を起こすには「動機」と「能力」と「きっかけ」が必要だというものです。

例えば、ダイエットは、痩せたいと思っていて、グッズが揃っていて、きっかけがあることで始めますよね。そこで、noto proを契約してもらうためには、 発信したいものがあって、発信できる人がいて、社内で提案書を提案するというきっかけがあると良いよねと思ったんです。

どの会社も、発信したいという動機と発信する能力はあると思っているので、きっかけとなる「社内で提案してもらえるかどうか」が大事だと考えていました。

そこで、現場の熱量を伝えたい方が集まる「等身大の企業広報」というイベントを企画しました。ここに参加してくださった方々に対して、こういうことを行うにはnote proはどうですか?という提案をしていました。

藤田:
BtoBとBtoCではマーケティング施策も違うと思いますが、津隈さんはどのように考えてアプローチされてこられましたか?

津隈さん:
BtoCが成長するとBtoBにも良い影響がありますし、BtoBが成長すると利益率が良くなり、BtoCで出来ることも増えてくるので、お互いに支え合っているものであることがポイントかなと思っています。なので、片方だけより両輪でやった方がビジネスは速く進みますよね。

面白いなと思うのが、BtoCの中で有名になったり収益を上げられてくると、チーム制になっていったりするんですね。そうなると、それはもう法人化されているんですよね。

なので、我々は法人も個人も同じクリエイターだと定義をし、別の組織ではなく、同じクリエイターを支える組織であると考えて動いています。

ピーティックス西川(以下 西川):
お客様に端的にかつ深く刺さるような商品・サービスの良さの伝え方について聞きたいです、という質問を事前にいただきました。津隈さんはどのように考えていらっしゃいますか?

津隈さん:
2つステップがあるのかなと思っています。

1つ目は、提案したいお客様を徹底的に理解し、その伝え方を考えることです。具体的には、お客様がどのような1日を過ごしているのかを想像します。電車で移動しているのか、上司からどんなことを言われているのか、部下からどんなフィードバックを受けているのか。どんなKPIを持っていて、どこに苦戦していて、どんな成功を収めているのかを詳しく調査したり、妄想したりしています。

あとは、例えば文化庁が出しているカタカナ語の認知率データによると、「ストレス」という言葉は97%の認知率がある一方、「モニタリング」という言葉は50%の認知率で、そのうち正確に理解しているのは28%というデータがあります。こうしたデータをもとに、お客様に伝わりやすい言葉を徹底的に考えるというのは面白いかなと思います。

2つ目は、たくさんのアイデアを出すことですね。
例えば、素晴らしいロゴをデザインする際には、いくつかの案を出し、その中から良さそうなものをピックアップし、それに近しいものをさらに出し続けることで、最終的に良いものが出来上がるというプロセスがあります。この手法はマーケティングにも活かせると思っています。
しかも最近は、ChatGPTなどいろいろなツールがありますよね。100個のアイデアを出してもらい、その中から最も良いものを選び出し、それをもとにさらにアイデアをブラッシュアップしていく、というプロのやり方が簡単に出来るようになったのは大きいと思います。

藤田:
クリエイティブな発想をするために、津隈さんが日頃取り組んでらっしゃることや工夫されていることはありますか?

津隈さん:
前提として、マーケティングは10年ごとにかなり大きな変革をしていて、どんどん変わっています。4PやSTPなどのフレームワークや、エモーショナルマーケティングやファンマーケティングなどさまざまなマーケティング手法が生まれてきたと思います。なので、そもそも今の時代の技術とお客様の状況によって必要なマーケティングはどんどん変わりますし、新しいものを作っていくことが必要です。

その上で、お客様の課題と、その課題をどうやって解決できるかを考え続けることが重要だと思います。
私は、朝始業する前に30分ほどパソコンを触らず妄想したり、フィードバックを見返すことでお客様の状況をできるだけ正確に把握したり、最新技術の勉強などをしたりしています。アイデアが思いついたら社内の人にざっくばらんに話して意見をもらうことで、クリエイティブな発想ができているのかなと思っています。


「Peatix Marketing Terrace」は、マーケティング業界のプロフェッショナルが集い、現代の激動するマーケティング業界における課題に対する知見や戦略を共有するイベントシリーズです。マーケティング業界に携わる皆様が連携し、新たなアイディアや手法を共有・発展させる場を提供します。

今後のイベント情報は、こちらのグループページでお知らせしていきますので、ぜひフォローをお願いいたします。

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